♪ パガニーニ賛

 

24のカプリース(ギトリス)

ニコロ=パガニーニ( 1782~1840 ジェノヴァ)、いわゆる“悪魔に魂を売りヴァイオリンの超絶技巧を得た”鬼才。G線だけで弾くことを作為的に演出させるために演奏中他の弦を自然に切れたように見せかけて実は自らの爪で切ったこと、楽譜の回収による技術の秘匿、恋愛と博打、などなど数あるエピソードその事実の真偽は個々人の判断に任せることにして。。。効果的なスピッカート(弓の弾力性を利用して弓を跳躍させる運弓法、弓を一瞬止めるスタッカートとは異なる)、ダブルハーモニクス(またはダブルフラジオレット 弦を指で押さず触れる倍音奏法)、左手のピッチカート(通常は右手でピッチカート)。圧倒的な超絶技巧と歌うような甘美さ。パガニーニの甘美なメロディは協奏曲の緩徐楽章やギターとヴァイオリンのソナタにしばしば奏でられる。いっぽうにおいてパガニーニの諸作品は表相的で深みがないとよく言われる。深みとは精神性や内面性のことだ。しかし、パガニーニの作品が醸し出すこういった表相さや甘美さは、表相さや甘美さがために生命の儚さや一過性という人生の諸相を浮かび上がらせる。その点においてパガニーニの作品は逆説的に人間的な深さを呈する。つまりパガニーニの作品の”浅さ”は人生の”深さ”。美術でいうならばキリコの陰影やクリムトの装飾美をオウヴァーラップさせるに違いない。

 

♪♪♪「24のカプリース」♪♪♪

パガニーニ演奏のあまたいるヴィルトォーゾのなかで、超絶技巧と超個性を堪能できる演奏は、イヴリー=ギトリス(1922~現在 イスラエル 90歳を超えてなお現役の巨匠)の録音であろう。「24のカプリース」「ヴァイオリン協奏曲1番」「ヴァイオリン協奏曲2番」はパガニーニの表相性=深相性という点からすれば屈指の名演奏だ。テンポの速さといいアゴーギグのつけ方といい屈指の個性的な演奏だ。”奇を衒った”演奏からは遥かにほど遠く、それどころか大変な情熱をもった演奏だ。

 

パガニーニ/ヴァイオリン協奏曲1番&2番(ギトリス    パガニーニ/ヴァイオリン協奏曲1番ほか(アッカルド)  パガニーニ/ヴァイオリン協奏曲2番ほか(アッカルド) 

パガニーニ/ヴァイオリンと管弦楽のための小品(アッカルド)  パガニーニ/ヴァイオリンと管弦楽のための小品(アッカルド)  パガニーニ/ヴァイオリンとギターのためのソナタ(テレベジ&プルンバウアー)

 

「私はピアノのパガニーニになる」と称したリストは「パガニーニ練習曲(全6曲)」を残した。素晴らしく超・超絶技巧ピアノ曲集である。全6曲の詳細は、1番:”トレモロ”(パガニーニの「24のカプリース」第6番が原曲)、2番:”オクターブ”(パガニーニの「24のカプリース」第17番が原曲)、3番:”ラ・カンパネラ”(パガニーニの「ヴァイオリン協奏曲第2番第3楽章」が原曲)、4番:”アルペジォ”(パガニーニの「24のカプリース」第1番が原曲)、5番:”狩”(パガニーニの「24のカプリース」第9番が原曲)、6番:”主題と変奏”(パガニーニの「24のカプリース」第24番が原曲)。第5番の「狩」はオルゴールのようにピアノの音が弾き合い、明るく秋の狩りの風景を想像してしまうような曲である。リストのパガニーニ練習曲は原曲のヴィルトゥオ―ジティに加えて、それをも凌駕するまさしく原曲からは独立した名曲である。アンドレ=ワッツの演奏は素晴らしく技巧的でなおかつ表情に富んでいる。

 

リスト/パガニーニ大練習曲(ワッツ)

 

 パガニーニの「24のカプリース」・「ヴァイオリン協奏曲」・「ヴァイオリンと管弦楽」・「ヴァイオリンとギター」のための楽曲 の my collection

                                                                                                                                          

楽曲名
☆印の曲はロッシーニのオペラに含まれる主題をもとにした変奏曲
演奏(表示はヴァイオリニスト(五十音順)⇒指揮者等の順)
24のカプリース 作品1 アッカルド(1~24) /カーラー(1~24) /ギトリス(1~24) /パールマン(1~24) /リッチ(1~24) 
  クレーメル(4) /グッリ(16,17) /ハイフェッツ(13,20)
ヴァイオリン協奏曲1番 ニ長調 作品6 アッカルド、デュトワ(指揮)LSO /カントロフ(vn&指揮)オーヴェルニュcho /ギトリス、ヴィスロツキ(指揮)ワルシャワnpo
  五嶋みどり、スラットキン(指揮)LSO /グリュミオー、ベルージ(指揮)モンテカルロpo /グリンゴルツ、ヴァンスカ(指揮)ラーティso
  コルベンツェン、ミュアー(指揮)南ドイツpo /クロワトル、バルドン(指揮)ニースpo  /諏訪内晶子、コーガン(指揮)モスクワpo
  庄司紗矢香、メータ(指揮)イスラエルpo /ドゥバッハ、フォスター(指揮)モンテカルロpo /フランチェスカッティ、オーマンディ(指揮)フィラデルフィアo
  パールマン、フォスター(指揮)ロイヤルpo /ベルキン、メータ(指揮)イスラエルpo /マルコフ、ヴィオッティ(指揮)ザール=ブリュッケン放送o 
  メニューイン、エネスコ(指揮)パリso  /リッチ、コリンズ(指揮)新交響楽団  /リッチ、フュエンテ(指揮)オルケストラ・デ・ラス・アメリカス
  レビン、グーセンス(指揮)/フィルハーモニアo 
  ★第1楽章のみ★
クライスラー、オーマンディ(指揮)フィラデルフィアo /クレーメル、ヴァンベルク(指揮)ウィーンo  /ブシュホーダ、ツォーン(指揮)ベルリン・ムニシバルo
ヴァイオリン協奏曲2番 ロ短調 作品7 アッカルド、デュトワ(指揮)LSO /アッカルド、ボンコンパーニ(指揮)ローマpo /ウギ(vn&指揮)聖チェチーリアcho
  カントロフ(vn&指揮)オーヴェルニュcho /カントロフ、ベルナルド(指揮)トマスcho 
ギトリス、ヴィスロツキ(指揮)ワルシャワnpo 
  ドゥバッハ、フォスター(指揮)モンテカルロpo /マルコフ、ヴィオッティ(指揮) /ザール=ブリュッケン放送o /リッチ、コリンズ(指揮)新交響楽団 
  ★第3楽章“ラ・カンパネラ”のみ★
グリンゴルツ、リューミニャ(p) /バチコバ、ポポバ(p) /リッチ、パーシンガー(p) 
ヴァイオリン協奏曲3番 ホ短調  アッカルド、デュトワ(指揮)LSO /ドゥバッハ、フォスター(指揮)モンテカルロpo /ロッツァ、ディトリッチ(指揮)スロヴァーク放送o
ヴァイオリン協奏曲4番 ニ短調  アッカルド、デュトワ(指揮)LSO /ウギ(vn&指揮)聖チェチーリアcho /グリュミオー、ベルージ(指揮)モンテカルロpo 
  クレーメル、ムーティ(指揮)ウィーンpo /ドゥバッハ、フォスター(指揮)モンテカルロpo 
リッチ、ベルルージ(指揮)ロイヤルpo 
  ロッツァ、ディトリッチ(指揮)スロヴァーク放送o
ヴァイオリン協奏曲5番 イ短調 アッカルド、デュトワ(指揮)LSO /グッリ、ロサーダ(指揮)ミラノ・アンジェリクムcho 
ドゥバッハ、フォスター(指揮)モンテカルロpo 
ヴァイオリン協奏曲6番 ホ短調 アッカルド、デュトワ(指揮)LSO /ドゥバッハ、フォスター(指揮)モンテカルロpo 

☆“モーゼ”の主題による変奏曲 アッカルド、タンポーニ(指揮)ヨーロッパcho /グリンゴルツ、リューミニャ(p) /リッチ、パーシンガー(p)  /リッチ、カーディ(g)  /リッチ(vnのみ)
  シャハム、セルシェル(g)  /テレベジ、プルンバウアー(g) 
  ★ヴァイオリン以外★
ディスベイ(vc)、ペトリンヤック(g)  /フルニエ(vc)、クラウソン(g) /マ(vc)、ザンダー(P)  /三村園子(fl)、前橋由子(p)
☆“こんな胸騒ぎが”の主題による変奏曲 作品13 アッカルド、デュトワ(指揮)LSO /リッチ、フロマン(指揮)ルクセンブルク放送o  /リッチ、パーシンガー(p)  
  ギトリス、ヤノプロ(p)  /グッリ、カヴァッロ(p)
☆“シンデレラ”の主題による変奏曲  アッカルド、デュトワ(指揮)LSO 
常動曲 作品11 アッカルド、タンポーニ(指揮)ヨーロッパcho /トスカニーニ(指揮)NBC.so 
ビニャーニ、カンゼル(指揮)シンシナチo
  クーベリック、ピアノ伴奏 /ハイフェッツ、ブノア(p)  /リッチ、アメリカ陸海軍so  リッチ、パーシンガー(p) 
”魔女の踊り”変奏曲 作品8 アッカルド、デュトワ(指揮)LSO /バルディーニ、インテルプレーティ=ヴェネツィアーニ リッチ、パーシンガー(p) 
”バルカバ”変奏曲 作品14 アッカルド /クレーメル  ★ギター伴奏版★ジョン(vn)、ウィンベルク(g)
”田舎の踊り”変奏曲 アッカルド、タンポーニ(指揮)ヨーロッパcho
“ヴェニスの謝肉祭”変奏曲 アッカルド、タンポーニ(指揮)ヨーロッパcho 
バルディーニ、インテルプレーティ=ヴェネツィアーニ  
★ヴァイオリンソロ★グリンデンコ(vn)
マエストーサ=センチメンターレ アッカルド、デュトワ(指揮)LSO 
vn&ocheのためのソナタ“春” アッカルド、デュトワ(指揮)LSO 
vn&ocheのためのソナタ アッカルド、タンポーニ(指揮)ヨーロッパcho 
ナポレオン=ソナタ アッカルド、タンポーニ(指揮)ヨーロッパcho 
マリー=ルイーザ=ソナタ アッカルド、タンポーニ(指揮)ヨーロッパcho 
ワルシャワ=ソナタ アッカルド、タンポーニ(指揮)ヨーロッパcho 
アンダンテ=アモローソ アッカルド、タンポーニ(指揮)ヨーロッパcho
変奏付きポラッカ アッカルド、タンポーニ(指揮)ヨーロッパcho 
バルディーニ、インテルプレーティ=ヴェネツィアーニ
情熱的なラルゲット アッカルド、タンポーニ(指揮)ヨーロッパcho 

“ネル・コウ・ピウ”変奏曲 アッカルド /グリンゴルツ /プシホーダ /リッチ /リッチ、カーディ(g) /リッチ、パーシンガー(p) 
“ゴッド・セイブ・ザ・キング”変奏曲 アッカルド /リッチ、パーシンガー(p)
カンタービレ 作品17 シャハム、セルシェル(g)  /ジョン、ウィンベルク(g) /ディゼー、グィラルディ(g) /テレベジ、プルンバウアー(g) 
  ブーケルズ、ゴフィネ(g) /石川静、ハーラ(p) /ギトリス、ヤノプロ(p) /グリンゴルツ、リューミニャ(p) 
  クレーメル、ブラウン(p) /バチコバ、ポポバ(p) /バルディーニ、インテルプレーティ=ヴェネツィアーニ
ソナタ=コンチェルターテ 作品61 カルミニョーラ、スカットリン(g) /ハジェット、サヴィーノ(g) /シャハム、セルシェル(g)  /シュネーベルガー、ヴァングラー(g) 
  ジョン、ウィンベルク(g) /テレベジ、プルンバウアー(g) /ブーケルズ、ゴフィネ(g) 
  ★フルート版★ゴールウェイ(fl)、山下和仁(g)
グランド=ソナタ イ長調 MS3 カルミニョーラ、スカットリン(g) /シャハム、セルシェル(g) 
*2楽章のみ  /テレベジ、プルンバウアー(g) 
グランド=ソナタ ホ長調 作品25 ハジェット、サヴィーノ(g) /テレベジ、プルンバウアー(g)
グランド=ソナタ ジョン、ウィンベルク(g) 
ソナタ イ長調 リッチ、カーディ(g) /石川静、ハーラ(p) 
メヌエット ヘ長調 ギトリス
タランテラ テレベジ、プルンバウアー(g) /リッチ、カーディ(g) 
メツェナ(vn)、プロティーナ(指揮)ジェノヴァcho
ドゥオ=メルヴィエ アッカルド
ドゥオ=アモローソ ジョン、ウィンベルク(g)
カンタービレとワルツ ジョン、ウィンベルク(g)
”カプリース24番”ブラブーラ変奏曲 ジョン、ウィンベルク(g)
ギターと弦楽(vn/va/vc) 1番 アッカルド(vn)、ゲーティン(va)、フィリッピーニ(vc)、ギフォード(g)
ギターと弦楽(vn/va/vc) 7番 アッカルド(vn)、ゲーティン(va)、フィリッピーニ(vc)、ギフォード(g)
ギターと弦楽(vn/va/vc) 14番 アッカルド(vn)、ゲーティン(va)、フィリッピーニ(vc)、ボネル(g)
ギターと弦楽(vn/va/vc) 15番 アッカルド(vn)、ゲーティン(va)、フィリッピーニ(vc)、ボネル(g)
テルツェット ハ長調 アッカルド(vn)、フィリッピーニ(vc)、ボネル(g)
テルツェット ニ長調 アッカルド(vn)、フィリッピーニ(vc)、ギフォード(g)

ヴァイオリンとギターのためのソナタ 作品2(全6曲) ジョン、ウィンベルク(g)(1~6) /ディゼー、グィラルディ(g)(1~6) /テレベジ、プルンバウアー(g)(1~6) /藤田容子、福田進一(g)(1~6) /リッチ、カーディ(g)(1,4)  
★ピアノ伴奏版★石川静、ハーラ(p)(1~6) 
ヴァイオリンとギターのためのソナタ 作品3(全6曲) ジョン、ウィンベルク(g)(1~6) /ディゼー、グィラルディ(g)(1~6) /テレベジ、プルンバウアー(g)(1~6) /カルミニョーラ、スカットリン(g)(4,5) /ギトリス、ヤノプロ(p)(6) /シャハム、セルシェル(g)(1,4,6) リッチ、カーディ(g)(1~3,6) 
チェントーネ=ディ=ソナタ 作品64(全7曲) シュネーベルガー、ヴァングラー(g)(1~6) /テレベジ、プルンバウアー(g)(1~6) /ビアンキ、プレダ(g)(1~6) /カルミニョーラ、スカットリン(g)(1) /シャハム、セルシェル(g)(2,4) /ブーケルズ、ゴフィネ(g)(1~3,5,6)
★ピアノ伴奏版★石川静、ハーラ(p)(2,4) 
★フルート版★グラーフ(fl)、ラゴスニック(g)(7)

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