襟裳岬

 

襟裳岬燈台 

 

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♪♪...えり~もの はるうわ~ なにも~ない~はるですう~...♪♪ (ヒット曲「襟裳岬」)

「宗谷岬」「知床旅情」「襟裳岬」は風や温度を体感させる旅情歌である。冷たい風だけど爽やかでおおらかでほのぼのとしている。白い雪の町に点在する小さな灯が思い浮かぶ。風や温度や雪は人間をリセットさせるようだ。小さな心を吹き飛ばす。これまでの時間を振り返らせる。

襟裳岬は風の町。訪れるたびに文字通り強い風が岬を行き交っている。風は岬に良く似合う。灯台の灯が風の中に紛れている。燈台の灯と風が夕暮れの群青色に溶けている。5月の夕暮れ。本州でいえば3月の夕暮れ。早春の夕暮れの雰囲気だ。

様似町鵜苫のろうそく岩(国道336号線沿線) 様似町鵜苫のろうそく岩(国道336号線沿線)

襟裳岬の突端に近くなればなるほど「襟裳の春は、何も無い春です。。」を実感する。そして「何も無い春です」論争を思い出す。しかし、「何も無い」という歌詞は「物質であふれかえる都会の窮屈さ」と比べれば断然おおらかでほのぼのとした心地よさが残る。「何でもある」都会の物質至上主義は心を貧しくさせている。物質はすぐに飽きる。自然はいっそうの愛着をかもし出す。なぜなら、自然には動植物という生命が宿っているが物資には最初から生命が宿っていないからである。

都会のきらきらした夜景・ガラス張りのクリスタルな建築・車・おしゃれないでたちに対する物質への感動。やはり自然の美への感動には及ばない。

物質への感動は外見志向の表出である。形がいいものを価値基準にする外見主義は中身を優先しない。時には人を中身でみようとせず外見で判断する。価値のある中身を見落としてしまうこともある。ドイツの心理学者シュプランガーは「美しい女性には美しい心が宿る」という錯誤に若者がしばしば陥ると述べた。中身で判断する目が必要だ。外見ではなくその人を知ろうとする意志、その人の心情をつかもうとする心の目が必要だ。

 日高本線列車通過(様似町鵜苫付近国道336号線沿線) 日高本線列車通過(様似町鵜苫付近国道336号線沿線) 日高本線列車通過(様似町鵜苫付近国道336号線沿線)

東京の人口密度は6000人近い。北海道の人口密度は68人ほど。明治維新からの中央集権が150年たっても変わっていない。変えられない。一極集中が変えられない。小さなこだわりが存続する。経済も政治もいずれに関しても、地方への企業分散と政治権力の委譲をスピード感を以って実践すべきである。食糧自給率向上を軸とした内需重視の経済政策への転換を急ぐべきである。根底に欧米に追いつけ追い越せの精神があるであろうか?日本の自立と自己主張はどうなっているのであろうか?

襟裳岬から太平洋を望む。今日に至る襟裳昆布漁の苦難の歴史が思い浮かぶ。

襟裳岬夕暮れ 襟裳岬燈台

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