旧仙台藩陣屋跡(白老)

白老は室蘭と苫小牧の間に位置する道南の町である。太平洋側なので北海道では雪も多くなく北海道としては比較的過ごしやすい。アイヌ部落を復元したポロトコタンで有名である。

18世紀蝦夷地の沿岸部にはロシアなど外国船が接近し鎖国の江戸時代に開国を迫ってきた。そして日露和親条約が1854年締結されたのちの1856年江戸幕府は蝦夷地警備のため松前藩に加えて会津藩・津軽藩・仙台藩などから兵士を蝦夷地に送り込ませその防備に当たらせた。仙台藩は三好監物(けんもつ)を長官として蝦夷地にはいった。三好は根室方面を防備の拠点とすべきだという幕府の意向に異を唱え白老のこの地を防備の拠点の適地とした。現在は仙台藩元陣屋跡(国史跡)として残されている。ポロト湖の東側にポロトコタン、高速の入り口に近い西側この陣屋跡がある。戊辰戦争の最中この陣屋は消滅し三好監物は自害した。陣屋が消滅したのちも白老代官として民政を行なった草刈運太郎もやがて白老の浜で自殺した。

旧仙台藩陣屋跡と仙台藩陣屋資料館(白老) 仙台藩陣屋資料館案内板

 

雪景色の旧仙台陣屋跡資料館 冬の旧仙台藩陣屋資料館隣接の白樺林

 

地図画像

 

白老旧仙台藩陣屋跡

 

そのような幕末の短い仙台藩の陣屋史をこの地に隣接する陣屋資料館で存分に知ることができる。約150年前。長い歴史的時間からすれば昨日のことのようだ。ほんの少し前まで戊辰戦争があって。。。ちょうどこの春大学を卒業して住みなれたアパートを去ったあとの4月新しい大学生がこのアパートの新しい住人になるように。。。歴史的追体験。まだ温もりがありそうだ。。。そしてこの自分もまもなく古い住人になる。

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白樺の林、緑の芝生、さわやかな風。静かで広々とした空間。ずっとこの空気にうずもれていたくなるような穏やかな時間。

旧仙台藩陣屋跡〰二番長屋跡〰  旧仙台藩陣屋跡〰内曲の入り口〰

 

雪景色の旧仙台陣屋跡 雪景色の旧仙台陣屋跡 

 

芭蕉の“夏草や 兵どもが 夢のあと”がオウヴァーラップする。目を閉じてしばらくすると幕末の騒がしい動乱の怒号や旧幕府軍の悔恨と怨念の叫びが聞こえてきそうだ。三好監物や草刈運太郎が沈黙して歴史の運命に覚悟を決めている場面がよぎる。もし自分が三好や草刈であったら、命の危険を感じて逃げることを真っ先に考えているだろう。。。自分の運命を嘆いたり後悔しているだろう。。。「生きていること」は「死ぬこと」と隣接している。交響曲25番。交響曲40番。クラリネット協奏曲。ピアノ協奏曲27番。魔笛。ふとモーツァルトの「疾走する短調」と「天国的な透明感」が聞こえてくる。

旧仙台藩陣屋資料館隣接の白樺林   旧仙台藩陣屋資料館〰入り口の火鉢〰 

 

北の大地の白い雲と青い空。遅い春。白樺林。こぶしの花。静寂な時間と空間。「歴史は生きている」を実感する。

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