アイヌ語の「pet=ペトゥ=別」と「nay=ナイ=内」

尻別川河口(蘭越 手前は国道229号線) 尻別川にかかる木橋 尻別川(奥はニセコ方面)

 

アイヌでは川は山に向かって進む。つまり海が川へという方向である。通常考えられる川の合流点はアイヌでは川が二手に三手に分かれていく所ととらえられる。したがってアイヌでは川の行き着くところは山である。道東の秘境然別湖は標高の高いカルデラ湖であるが「川が行き着いた水たまり」にあたる。これは、アイヌ人がかつて川上に向かって移動するシカや川を遡上するサケとともに狩猟採集生活を営んできたからだそうだ。

川はアイヌ語では主に「~別(ぺトゥ)・・・大きい川を意味する」と「~内(ナイ)・・・小さい川を意味する」で示される。そのうちpet=ペトゥ=別は「濡れている」という意味を語源としそこから川を意味した。またそれは同時に性的意味も含み川は女性を示した。

北海道のマグカップ他

アイヌ語では一般的に、pet=ペトゥ=別は大きい川、nay=ナイ=内は小さい川を意味するそうだ。しかし道東の幌内川は大きい川なのに「ホロナイ」であるので必ずしもそうではない。アイヌ語の研究者北道邦彦さんの著書「アイヌ語地名で旅する北海道」の中には「~別」(ぺトゥ)は概ね東地域あるいは東岸・南岸に多く「~内」(ナイ)は概ね西地域あるいは西岸・北岸に多いと記されている。たとえば東南の根室・釧路・十勝・胆振・渡島は「~別(ぺトゥ)」と名のつく川が多く、西北の後志・天塩・北見は「~内(ナイ)」と名のつく川が多い。この書によれば、その境界にあたる日高や石狩は両方が混在した地域であるそうだ。日高は、東部の様似などは「~別(ぺトゥ)」型で、中間地域の浦河は「両方」混在型で、静内・占冠などは「~内(ナイ)」型であるようだ。

「~別(ぺトゥ)」型:主に東・南地域・・・陸別・音別・幌別・女満別・津別・湧別・紋別・門別・士別・浜頓別・登別・江別・喜茂別 *湧別・紋別・浜頓別などは混在地域と考えられる。

「~内(ナイ)」型:主に西:北地域・・・稚内・岩内・木古内・幌加内・歌志内・静内  *幌加内や歌志内などは混在地域と考えられる。

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