北の大地へ
ケッペンの気候区分図によると北海道の気候はDf=冷帯湿潤気候。本州と北海道の分界線津軽海峡は気候および気候に連動した動植物の領域を区分するラインだ。
しかし、大自然はあまりに自然にありのままである、それにもかかわらずその前提を乖離させるような区分けを意識しすぎると「理解するための」手段としての学問が優越して概念化していく。概念がそもそもが始原的に存在するという主客転倒が生じる。本来的には北海道の自然や気候はあまりに自然に非人為的になだらかにグラデーションして存在している。それは東北も関東も中部も…しかりである。
記号論的なアプローチをすれば言語になった瞬間、その言語は一人歩きし概念を創造しありのままの自然ではなくなる。いつも先入観や固定観念にとらわれずに「北の大地」を感得できればと思う。
窓越しに名残雪が舞う。「空間的は精神状態を左右する」を実感する。静寂でゆったりした空間と時間。窓越しの粉雪を眺める。追憶と現実が入り混じる。円かな空気が流れる。