厳冬の音更白樺並木・十勝百年記念館

音更の白樺並木  音更の白樺並木

啄木の「時代閉塞の現状」(1910年出版)では国家の強権・旧習な封建道徳への閉塞感がにじみ出る。借金摩・不遜傲慢・女癖摩の啄木の2重側面を看過できないものの、大逆事件という歴史を経るにあたり、「時代閉塞の現状」は批判させない政治と社会を批判した。近代的理性を経験する以前においては、時間や人生は運命に託して、封建道徳や国家主権という日常に託して、ちょうど中世西欧の隷属農民たる農奴がその毎日を神に感謝を以って生きていたように、「のどかな」時間が経過した。自然法を根底に持つ民主主義を近代人が新しい価値として受容すると~それは封建道徳を誤謬とみなした人間としてよりいっそうありうべき価値であるのだが~その軋轢にエネルギーを消耗させられる。こんなことならいっそあの「のどかな」時代がよかったと思うようになる。

帯広畜産大学 帯広畜産大学

そして、啄木はその歌において、格好つけて言うなら「この現状」から円かな「人間世界」に憩いの瞬間を託したというみかたもあるようだが、だらしのない落伍者の現実逃避といったもの、諦念といったもの、あるいはフロイト流な反動形成といったものが自然発露的に生じる。しかし、反面それは、儒学的封建道徳が染みついているその当時にあって、きわめて自由奔放な生きざまだ。

 *うす紅(あか)く 雪に流れて 入日影 曠野の汽車の窓を照らせり

 *馬鈴薯の うす紫の花に降る 雨を思えり 都の雨に

   ばんえい競馬場入口   ばんえい競馬レース模様 

そのような儒学が人為的な秩序の思想を必要とした春秋戦国時代に端を発したことを鑑みるにつけ、明治時代もしかり、人為的で単一な価値観が支配する明治憲法下の閉塞社会にあった。極寒の帯広には低湿な空気が立ち込め、そのような時代とは正反対で、あまりに非人為的であまりに自然に開放された時空に漂う。

帯広百年記念館  帯広百年記念館  帯広百年記念館    

日本の農業基地十勝の開拓の歴史、虚言無き純度100%、大自然の中の開拓と農業の歴史の答えは「十勝百年記念館」に広がる。馬鈴薯・大豆・小豆・ビート・大麦・小麦・ライ麦・燕麦など農産物およびその生産の歴史・農耕馬に引かせるプラウ(犂)など農業技術の進展…この記念館の入り口では巨大な「マンモス」が迫る。前縄文時代の北海道。食材の王国十勝。動物愛護を叫びたくなる世界で唯一の道産子農耕馬レース「ばんえい競馬」も農業開拓の副産物。

   帯広のマグカップ 帯広のお土産(清酒とポテトチップス)  

 

地図画像

 

 苫小牧上空(晩冬のトワイライト)