ノーザンホースパーク(苫小牧)

中世西欧で重量有輪犂を牽いたのは農耕馬で、その結果悠久な自給自足自然経済が悠久ではなくなり、西欧史にドラスティックな大変革をもたらした。馬力のおかげで深耕が可能になり、その結果栄養分のある土壌が広がり、その結果余剰生産物が産出され、その結果余剰生産物を交換する交換経済を進展せしめた。物々交換はやがて貨幣経済の波に乗って貨幣交換の時代となり、蓄積した貨幣で解放金を支払った農奴は荘園からひとり、またひとり、さらにまたひとり、と去っていき独立自営農民に身分を向上させた。荘園で成り立っていた中世西欧世界は、荘園の崩壊とともに終焉を迎え、のどかな分権の時代から国家間が富国強兵を標榜する集権体制という厳しい競争の時代=近大へ変貌した。

そのルーツは重量有輪犂を牽く馬の存在であった。

北海道と言えば、馬、馬と言えば、北海道。中央競馬で活躍する馬の産地。日高は日本の馬のメッカ。馬の牧場。日高も有名であるが、千歳には観光地ともなっているノーザンホースパークがある。競馬で活躍した名馬が隠居生活を送っている。やがてやって来るその寿命までを訪れる観光客に対する観光資源となって余生を過ごす。なんだか寂しい。かつて神奈川県厚木の山奥の乗馬クラブで2年ほど乗馬を習ったことを思い出す。馬は犬猫に次ぐIQ の持ち主だそうである。記憶力がよく、可愛がってくれる主人を本当によく記憶していて従順であるそうだ。それは食いっぱぐれないための本能的な打算ではなく、戦前ロサンゼルスオリンピックに出場した西選手と愛馬のエピソードなどからすれば、もっと高度な「精神性」に由来するようだ。

ノーザンホースパーク 

先日十勝のばんえい競馬に行った。感想は、このような「精神性」の高い動物にとってはかわいそうな感じを受けた。涙を流している道産子もいたからだ。

ノーザンホースパーク  ノーザンホースパーク

 

晩秋のノーザンホースパークに北西の風が吹いて、紅葉の森林に郷愁を運ぶ。「旅愁」のメロディがよぎる。

 

♪ 旅愁  作曲(1868年):ジョン・P・オードウェイ 日本語の歌詞(1907年):犬童球渓谷(いんどうきゅうけい)♪

 *原曲はアメリカのジョン・P・オードウェイが1868年作曲した”Dreaming of Home and Mother(家と母を夢見て)”  。オードウェイは医師でもありフォスターと同時代。

 *日本語の歌詞の作者犬童球渓谷(いんどうきゅうけい):熊本県人吉市出身。熊本師範学校卒・東京音楽学校卒。新潟高等女学校の教師。

     勤務先の新潟から故郷熊本を思って作詞された。1943年人吉市で自殺。「故郷の廃家」も彼の有名な唱歌作品。

 

1 更け行く行く秋の夜(よ) 旅の空の

  わびしき思いに 一人悩む

  恋しや故郷(ふるさと) 懐かし父母(ちちはは)

  夢路にたどるは 故郷(さと)の家路

  更け行く行く秋の夜(よ) 旅の空の

  わびしき思いに 一人悩む

 

2 窓うつ嵐に 夢も破れ

  遥けき彼方に 心迷う

  恋しや故郷(ふるさと) 懐かし父母(ちちはは)

  思いに浮かぶは 杜(もり)の梢(こずえ)

  窓うつ嵐に 夢も破れ

  遥けき彼方に 心迷う

 

ノーザンホースパーク製

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