ヴァイオリンソナタ第28番 ホ短調 KV304(モーツァルト)

グリュミオー&ハスキル版・・グリュミオー(vn)&ハスキル(p)版:内省的で心情の濃い演奏。

デュメイ&ピリス版・・デュメイ(vn)&ピリス(p)版:音楽的で端正な演奏。

スタインバーグ&内田光子板・・スタインバーグ(vn)&内田光子(p)版:音楽的で繊細な演奏。

 ヒラリー=ハーン&シュウ版

・・ヒラリー=ハーン(vn)&シュウ(p)版:チャーミング。テヌート気味な演奏。ハーンのヴァイオリンはウエットで一段と美しい。

 

モーツァルト ヴァイオリンソナタ 28番 k304 第2楽章

KV304のヴァイオリンソナタは1778年頃の作品とされる。パリでモーツァルトの母アンナが死去した時期に一致する。この曲の寂しさや諦観の曲調は母の死と関係があるとされる。アルテュール=グリュミオーのヴァイオリンとクララ=ハスキルのピアノによるこの曲は最高の名演である。学生時代から何度聞いたことであろう。。。何度聴いてもその寂寥感に引き込まれる。特に第2楽章‼第2楽章のテンポ=ディ=メヌエット‼。。。はたと途中で音楽が消え入る。。。そして再び静かに静かにヴァイオリンが震えながら慈しむように懐かしむように諦念するように。。。ハスキルのピアノは内省的でしかも温かみのある母性的な優しさに満ちている。。。グリュミオーのヴァイオリンはハスキルのピアノにリードされながら包み込まれて。。。そのベルギー派のうっとりするようなヴィヴラートを震わせる。。。アゴーギクが冴える。。。死に至る生を悟りきった諦観。。。澄んだ感情が漂う。。。古典派音楽は形式美や様式美にウエイトが置かれる。ややもすれば外見的な側面を特徴だてる傾向にある。しかし、このヴァイオリンソナタは深い深い心情が吐露する。古典派音楽のイメージを遥か逸脱する。この曲を聴いているとその時間はその感情に支配されその曲の中にいることになる。

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