網走から知床の流氷
3月上旬まだまだ氷点下の北海道。身の引き締まる冷涼で澄み切った北海道の空気。このすばらしい自然の中にいると寒さはいつのまにか忘れている。
オホーツク海に面する網走港から流氷観光船に乗って約1時間の流氷観光。眼下にアムール川から流れ着いた流氷。流氷船は一面真っ白の流氷の世界の真只中。海鳥が流氷と観光船とを行ったり来たり。夕焼けに染まった流氷は淡い紅色のグラスのようである。2007年3月流氷は激減した。2003年3月根室に旅した時には根室はもちろん根室からくるっと釧路方面にまわった厚岸湾まで流氷が着岸していた。温暖化の影響だろうか。。。来年はもうこの紅色のクリスタルグラスは見られないかもしれない。。
網走からかわいいノロッコ号に乗って知床斜里まで。ノロッコ号の車内では石炭ストーブでするめを焼いて食べる人。流氷を案内するアナウンス。レールの継ぎ目を通過する音。この空間に紛れる人の声。そして車窓には迫るオホーツク海と接岸する流氷と舞い散る3月の雪。日常から脱して地球を感じる。学生時代、横浜の友人と都会を脱して槍ヶ岳登山をしたときを思い出す。。。
本当に自然は自然であるがゆえに感動を与えてくれる!自然が感動を与えてくれるのは、自然が少しも自らが美を発していると感じたり意識したりしていないからである!都会の人工美は美であることを自ら意識し誇示するので慣れると飽きるし、やがて美を感じなくなる。これを人間にあてはめるとどうであろう...
夜の灯りは人間感覚を酔わせる。夜の灯りは夜の心情空間を映し出す。たとえば都会のネオンは都会の気取りを高揚させる効果をかもし出す。そのように、今、「網走ビール館」の灯りが北国の夜を円かな時間に演出する。雪の白さにほんのり浮かび上がる店の灯りはなぜか北国の温もりを増幅させる。